生活援助員(読み)セイカツエンジョイン

日本大百科全書(ニッポニカ) 「生活援助員」の意味・わかりやすい解説

生活援助員
せいかつえんじょいん

シルバーハウジングや高齢者向け優良賃貸住宅の居住者等を対象に、日常的な支援を行う見守り役。ライフサポートアドバイザーlife support adviserともいい、LSAと略称する。国土交通省厚生労働省が連携し、住宅と福祉をあわせて提供するシルバーハウジング・プロジェクトに基づくもので、生活指導や相談、安否の確認、一時的な家事援助、緊急時の対応、関係機関などとの連絡などを行う。シルバーハウジングでは市区町村が社会福祉法人などに委託し、おおむね住居30戸当り1名の生活援助員が派遣される。しかし、2013年(平成25)には東京都葛飾区のシルバーハウジングで暮らす高齢者が死後数か月たってからみつかるという事例があり、このほかにも同様の問題が発覚した。生活援助員の目が行き届かず、「見守り」が十分に機能していないことが社会問題となっている。

 また、市区町村単位で条例を設け、介護保険法にある要介護、要支援認定に該当しないと判定された、高齢者の生活を支援するための軽度生活援助員派遣事業を設けている地域がある。軽度生活援助員とは、在宅で暮らす高齢者の家事手伝いを支援する人の名称である。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android