日本大百科全書(ニッポニカ) 「要介護」の意味・わかりやすい解説
要介護
ようかいご
寝たきりや認知症などにより、常時介護が必要な状態のこと。要介護状態ともいう。介護保険法に基づく介護サービスを受ける際の区分の一つで、症状の進行状態に応じて分けられる。どの程度の介護を必要とするかは、市町村に設置された介護認定審査会が認定し、これによって、介護サービスの給付額も決定される。判定は認定調査員による心身の状況調査と、主治医の意見書に基づいた要介護認定基準時間(介護にかかる時間)の算出(コンピュータによる推計。一次判定)を踏まえ、介護に関連した学識経験者で構成された介護認定審査会による審査(二次判定)により決定される。審査では、要介護5分類の判定のほか、家事や身支度などの日常的な生活の支援が必要な人で、状態の維持や改善の可能性があり、要介護とならないための予防が必要な人を、要支援(要支援状態、2分類)としている。要支援と判定された場合、ホームヘルパーなどの居宅サービスを1割の自己負担で受けられる。
厚生労働省発表の「介護保険事業状況報告」(2011年度)によると、2011年度末時点の要支援認定者は約140万人、要介護認定者は約391万人で、合計約531万人であった。また、居宅サービス受給者数の累計は3829万人であった。これを1か月平均にすると319万人で、前年度の302万人に比べて17万人増(5.6%増)となっている。
厚生労働省は要支援に該当する高齢者向け予防給付サービスを2017年度より市町村に一部移行する方針を示している。
[編集部]