生玉庄(読み)いくたまのしよう

日本歴史地名大系 「生玉庄」の解説

生玉庄
いくたまのしよう

上町うえまち台地北端にあった庄園で、現大阪城付近に比定される。明応七年(一四九八)一一月二一日の蓮如消息に、「摂州東成郡生玉之庄内大坂トイフ在所」に坊舎を建立したことがみえる。この坊舎はのちに石山いしやま本願寺に発展するが、同寺の所在地は大阪城辺りかその南方法円坂ほうえんざか辺りと考えられている。庄名はかつて当地に鎮座した生国魂いくくにたま神社(現天王寺区に移転)に由来すると思われるが、庄園の成立年代は不詳。しかし、嘉元四年(一三〇六)六月一二日の昭慶門院御領目録(竹内文平氏旧蔵文書)に後嵯峨上皇の御願寺京都浄金剛院の所領分として、「摂津国生魂新庄福島庄」がみえる。生魂いくたま新庄がこの時点ですでに存在するので、生玉庄の成立はそれ以前であろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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