田坂善四郎(読み)タサカ ゼンシロウ

20世紀日本人名事典 「田坂善四郎」の解説

田坂 善四郎
タサカ ゼンシロウ

明治〜昭和期の実業家 月賦販売創始者



生年
明治9年8月5日(1876年)

没年
昭和6(1931)年8月24日

出生地
愛媛県

経歴
椀船で瀬戸内海沿岸を行商していた商人の子として生まれる。自身も愛媛県桜井で桜井漆器を行商していたが、日露戦争前に福岡市に進出漆器衣類家具などを伝統的な無尽講式販売や革新的な出張陳列販売で商い、大いに成功した。また、日本で初めて分割支払いを導入し、月賦販売を創始。その許には故郷の愛媛県から多くの売り子が集まり、そこから丸井の創業者青井忠治や緑屋(現・西武クレジット)社主岡本虎二郎など、のちの月賦販売確立に力のあった人材を輩出した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

朝日日本歴史人物事典 「田坂善四郎」の解説

田坂善四郎

没年:昭和6.8.24(1931)
生年:明治9.8.5(1876)
明治後期愛媛県出身者を中心に発展した日本型クレジット,月賦販売の創始者。瀬戸内沿岸を椀船で行商した田坂文蔵の6男に生まれる。日露戦争直前に福岡市に進出して定住,伝統的な講売り式販売,革新的な出張陳列販売によって椀や膳などの漆器を売り,成功する。故郷から集まった売り子たちの中から,その後月賦販売発展の主流となる人々が輩出した。「丸井」創業者青井忠治や「緑屋」(現西武クレジット)の岡本虎二郎も,この人脈の中で修業している。<参考文献>鳥羽欽一郎他『日本月賦産業の歴史展望』3巻

(鳥羽欽一郎)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「田坂善四郎」の解説

田坂善四郎 たさか-ぜんしろう

1876-1931 明治-昭和時代前期の実業家。
明治9年8月5日生まれ。愛媛県桜井で桜井漆器の行商に従事,明治37年福岡に進出。漆器,衣類,家具などを無尽講式,出張陳列などの方法で販売,また支払いに分割方式をとりいれ,月賦販売の創始者とされる。昭和6年8月24日死去。56歳。愛媛県出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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