丸井(読み)まるい

改訂新版 世界大百科事典 「丸井」の意味・わかりやすい解説

丸井[株] (まるい)

日本最大の月賦百貨店。1931年,青井忠治(1904-75)によって東京中野丸二商会として個人創業された。35年丸井と改称,東京・阿佐谷に最初の支店を出す。37年(株)丸井に改組し,下北沢(1937),吉祥寺(1939)などに店舗を出す。41年戦時下の商業活動の規制により,当時の5店舗をいっせいに閉鎖した。第2次大戦後は46年に営業を再開,東京の北西部に店舗を開設,経済の安定とともに月賦(5ヵ月払い)販売を復活した。55年からは戦前行っていた10ヵ月払いの月賦に移行した。この月賦は日本独特の販売方式で,高度成長期の中ごろの消費需要が急増した65年前後に最盛期を迎えた。その後〈月賦〉のもつイメージが消費者に嫌われ,かつ割賦販売に伴うリスク吸収が難しいため,全般に不振となった。しかし(株)丸井は1960年に月賦の名称を〈クレジット〉と改称,信用調査機関丸井クレジットセンターを設置し,クレジット・カードを発行した。このように近代化を進めるとともに店舗を,〈駅のそば〉というキャッチフレーズどおり,盛場を重点とした展開を行った。また66年には,500万人以上のカードメンバーの信用情報オンラインにより瞬時にチェックできるシステムをつくりあげた。81年には消費者金融進出。資本金359億円(2005年9月),売上高5562億円(2005年3月期)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「丸井」の意味・わかりやすい解説

丸井
まるい

クレジット販売,小売業。1931年個人創業に始まり,1937年株式会社に改組して現社設立。5店舗をもつにいたったが,1941年第2次世界大戦により業務閉鎖。1946年営業を再開,店舗数も増加した。1950年に割賦販売制度を復活。1960年にクレジットカードを発行して以降,本格的に割賦販売業務に進出した。一方,店舗については大型化を進め,スクラップ・アンド・ビルド方式で成長した。2007年持株会社へ移行し,商号丸井グループ変更。小売業は新設された丸井が,カード事業はエポスカードが継承した。

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百科事典マイペディア 「丸井」の意味・わかりやすい解説

丸井[株]【まるい】

百貨店の大手。1931年青井忠治が丸二商会として東京・中野で創業,1935年現名。駅前店舗の設置,10ヵ月払い,クレジット・カードの導入で業績を伸ばす。ローン利息を軸に高収益体質を構築。顧客の年齢層は若い。バブル経済崩壊以降の長期不況で不採算店をリストラ。消費者金融部門も拡充。本社東京,店舗数24(2011年3月)。2011年資本金359億円,2011年3月期売上高4064億円。売上構成(%)は,小売80,カード12,小売関連サービス9。

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