田宮寺(読み)たみやじ

日本歴史地名大系 「田宮寺」の解説

田宮寺
たみやじ

[現在地名]玉城町田宮寺

田宮寺のほぼ中央西端にある。高野山真言宗。山号富向山。境内中央に観音堂があり、本尊である十一面観音立像二体を安置する。一体は像高一七〇センチの彩色像。一体は像高一六九センチの漆箔像でともに平安時代前期の作で国指定重要文化財。当寺の創建年代は不明だが、内宮祠官荒木田氏二門家系の氏寺として長徳年中(九九五―九九九)内宮長官荒木田氏長によって建立されたと伝えられる(田丸郷土誌)。通海の「太神宮参詣記」に「荒木田氏の一門ハ、田宮寺ヲ造テ、十一面ヲ顕シテ、氏ノ伽藍トセシ」と記されている。中世以来、内宮の遷宮後、神体を納めていた古い御船代を田宮寺の御船みふね殿に納めるのが例であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の田宮寺の言及

【玉城[町]】より

…JR参宮線が通り,伊勢自動車道玉城インターチェンジがある。田宮寺には重要文化財の十一面観音立像2体がある。【上田 雅子】。…

※「田宮寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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