慶安郷帳(読み)けいあんごうちよう

日本歴史地名大系 「慶安郷帳」の解説

慶安郷帳
けいあんごうちよう

成立 慶安元年

写本 喜連川町秋元武夫氏・東京大学史料編纂所(東野地誌本)、日光輪王寺(輪王寺本)、芳賀町吉永宗一氏(吉永本)

解説 慶安元年三月五日の奥書日付が記されている郷村高帳。正保郷帳の写と考えられるが、日付から慶安郷帳と通称している。秋元家本と東京大学史料編纂所本はともに「東野地誌」と題し、郷帳は上・中二巻に収められている。足利郡・簗田郡・安蘇郡都賀郡寒川郡(上巻)河内郡芳賀郡塩谷郡那須郡(中巻)の順に記す。輪王寺本は「下野九郡郷村高附」と題し一冊。河内郡・芳賀郡・塩谷郡・那須郡・足利郡・簗田郡・安蘇郡・都賀郡・寒川郡の順に記す。吉永本は内表紙に「下野国郷分高帳」と記し、二冊のうちの一冊で、河内郡・芳賀郡・塩谷郡・那須郡分を記し、他の一冊は伝存しない。輪王寺本は村高・村名のみ記し、郡ごとに村高・家数・寺社領高・新田高総計を記している。他は村高に続いて田高・畑高を記して領主名を付し、寺社朱印地も村高とは別に記す。郡ごとに村高・家数・田高・畑高、寺社領高、新田高・同田高・同畑高の総計を記している。各書の記載内容は基本的には違いはないが、書写の際の誤りの結果と考えられる個所が散見される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android