田野郷(読み)たのごう

日本歴史地名大系 「田野郷」の解説

田野郷
たのごう

現田野に比定される中世の郷。鎌倉期の宗像宮年中諸神事御供下行事(宗像大社所蔵文書/神道大系神社編四九宗像)の五月五日と八月一五日に、「波折の御馬」が「いまの御馬」とともにあげられている。このほかに一二月一九日に「与里嶽」、同月二〇日に「森」もみえる。「宗像大菩薩御縁起」には与里嶽よりだけ明神(現依岳神社)もり明神・浪折なみおり大明神が載る。正平二十三年宗像宮年中行事(宗像大社所蔵文書/神道大系神社編四九宗像)には与里嶽社・田野郷もり社・田野郷余波社がみえる。


田野郷
たのごう

和名抄」高山寺本・流布本ともに「田野」と記し、高山寺本のみ「多乃」と訓ずる。建長七年(一二五五)の伊予国神社仏閣等免田注進状案(国分寺文書)に郷々祈田として「田乃郷 二反」が記されている。「国史辞典」(冨山房)中山なかやま川左岸平野の西南を占め、現周桑しゆうそう丹原たんばら町の田野にあたるとする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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