甲皮類(読み)こうひるい(その他表記)Ostracodermi

最新 地学事典 「甲皮類」の解説

こうひるい
甲皮類

学◆Ostracodermi 英◆ostracoderms

無顎綱のうち,現生種を含む円口類を除く,古生代前期に栄えたグループの総称最古の脊椎動物として知られる。骨性の皮甲をもつことから,板皮類と合わせて「甲冑魚かつちゆうぎよ」と呼ばれる。異甲(翼甲)類・テロドゥス(腔鱗)類・骨甲(頭甲)類・ガレアスピス類・欠甲類の5目が含まれる。カンブリア紀後期からデボン紀末まで,主に淡水域に栄えたが,異甲類・テロドゥス類の一部は海にも生息した。顎がなく,口から水とともに入った微生物を鰓で濾過して食べていた。対鰭はなく,遊泳性に乏しく,水底にすむ不活発な動物であった。異甲類・骨甲類では体表が骨性の皮甲や鱗で覆われるが,テロドゥス類では皮甲がなくてサメ類のような楯鱗で覆われ,欠甲類は皮甲も鱗も退化していた。現生の円口類のヤツメウナギメクラウナギは,甲皮類から由来したと考えられている。

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関連語 後藤

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「甲皮類」の意味・わかりやすい解説

甲皮類
こうひるい
Ostracodermi

原始的魚類無顎類に属し,魚形をするが対鰭をもたず,頭は甲板で包まれている。眼は上方を向き,底生生活をし,鼻や鰓孔配列は現生のヤツメウナギに似る。古生代シルル紀からデボン紀に生存板皮類とともに最も古い脊椎動物。

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世界大百科事典(旧版)内の甲皮類の言及

【うろこ(鱗)】より

…現生の硬骨魚類にみられるうろこのほとんどは,骨鱗と呼ばれる真皮中に生じた骨質の小板であるが,原始的な硬骨魚類や軟骨魚類は由来や形態のやや異なるうろこをもっている。 そもそもうろこの起源は最古の脊椎動物である古生代初期の甲皮類の甲羅(外骨格)にまでたどることができる(図)。甲皮類の多くは,象牙質からなる歯状突起をそなえた骨質板でつくられた甲羅をもっていて,なかでも腔鱗類は現在のサメ類の楯鱗(じゆんりん)に似た歯状突起だけで体を覆われていた。…

【甲冑魚】より

…古生代に生息した固い外骨格の装甲をもつ魚類の総称で,無顎綱の甲皮類ostracodermやあごのある板皮綱Placodermiに属する魚類が含まれる。最も古いものはカンブリア紀後期の地層から発見されているアナトレピスAnatolepisである。…

【甲】より

…脊椎動物の甲の骨格の大部分は皮骨である。 古生代中期の唯一の脊椎動物だったあごをもたない原始魚類,無顎類の多くは頭部ないし体の前半部が堅固な甲に覆われ,そのためこれらは甲皮類,甲冑(かつちゆう)魚,カブトウオなどの別名で総称される。頭部の甲を頭甲,胸部の甲を胸甲という。…

※「甲皮類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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