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無顎類 ムガクルイ

世界大百科事典 第2版の解説

むがくるい【無顎類】

最も原始的な脊椎動物(魚類)の1綱Agnatha。古生代のカンブリア紀後期に出現し,デボン紀に繁栄したが,その後衰退し,現在に至っている。口に上下両の骨がなく,餌を吸引するようになっている。現在のものは円口類とよばれることもあり,ヤツメウナギ目とメクラウナギ目に分けられている。ヤツメウナギ類は眼の後方に1列に並ぶ7対の鰓孔(さいこう)が開いている。自由生活をするスナヤツメのような種類もいるが,多くは生魚の体表に吸着し,寄生して生活する。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

むがくるい【無顎類】

脊椎動物無顎綱に属する動物の総称。現生の円口類および古生代に栄えた甲冑かつちゆう魚の仲間など、最も原始的な魚類。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

無顎類
むがくるい
[学]Agnatha

脊索(せきさく)動物門Chordata、脊椎(せきつい)動物亜門Vertebrataあるいは頭蓋(とうがい)亜門Craniata、無顎上綱に属する魚類の総称。以前は円口(えんこう)類Cyclostomata(またはCyclostomi)といわれていた。あごをもたないすべての魚類が含まれ、そのほかのあごをもつすべての魚類を含む顎口(がっこう)上綱Gnathostomataと区別する。研究者によって、ヤツメウナギ上綱とヌタウナギ上綱に絶滅種のコノドント上綱、翼甲(よくこう)上綱、欠甲上綱、歯鱗(しりん)上綱、頭甲上綱(骨甲(こっこう)上綱ともいう)の5上綱を加えて7上綱とする見解もある。DNA(デオキシリボ核酸)分析の結果、ヤツメウナギ類とヌタウナギ類は非常に近縁で単系統群であることが示されたことから、これらに対して以前使われていた円口類を復活させる研究者もいる。[尼岡邦夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の無顎類の言及

【あご(顎)】より

…上顎は口を閉じたとき下顎に対応し,口の天蓋(てんがい)をなす部分の全体だが,その境界ははっきりしない。 このような定義からいって,脊椎動物の最も原始的なグループである無顎類(古生代のカブトウオ類や現存のヤツメウナギの仲間)はあごというものを備えていない。したがって,他のものにかみつくことはできない。…

【円口類】より

…脊椎動物のうち,もっとも原始的な形質をもつ無顎口上綱Agnathaに属する魚類(無顎類)はデボン紀末までにほとんど絶滅し,残った現存種を含む唯一の綱が円口類Cyclostomiである。メクラウナギ目,ヤツメウナギ目がこの綱に属する。…

【魚類】より

…【日比谷 京】
【分類と系統】
 魚類は水中で生活し,主としてえらで呼吸を行い,ひれをもっている脊椎動物である。分類学的には脊椎動物門を魚類上綱と四肢動物上綱に分け,魚類上綱Piscesはさらに無顎(むがく)綱(無顎類)Agnatha,棘魚(きよくぎよ)綱(棘魚類)Acanthodii,板皮(ばんぴ)綱(板皮類)Placodermi,軟骨魚綱(軟骨魚類)Chondrichthyes,硬骨魚綱(硬骨魚類)Osteichthyesに分けることが多い。 地球の歴史において,もっとも古い魚類の化石はカンブリア紀後期の地層から発見されている。…

【口】より

…半索動物の腸鰓類や原索動物では,口は比較的単純な開口にすぎないが,口に続く咽頭に多数のえら穴が形成されて,食物をこし取るのにも役だっているのが特徴的である。【原田 英司】
【脊椎動物の口】
 脊椎動物では,顎骨つまり口の骨格をもたない無顎類(太古の甲皮類と現存の円口類)と顎口類(顎骨をもつその他すべての脊椎動物)とで,口の特色は著しく異なる。無顎類の口は骨のしんをもたず,上下に開閉することがない。…

※「無顎類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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