申合(読み)もうしあわせる

精選版 日本国語大辞典 「申合」の意味・読み・例文・類語

もうし‐あわ・せる まうしあはせる【申合】

〘他サ下一〙 まうしあは・す 〘他サ下二〙
① (「言い合わせる」の謙譲語) 相談申しあげる。
※後二条師通記‐康和元年(1099)三月二一日「春日御社人々祈事顕然之由有其聞者、申合殿之処、被仰云」
② 親しくおつきあいする。
上杉家文書‐(天正一三年)(1585)四月一九日・宇都宮国綱書状「御当国え者、前代之任筋目、無二可申合外無他事候」
③ 話して約束する。話し合って取り決める。
※米沢本沙石集(1283)二「此の僧に伝法して恵命を続せんと思ふよし申合す」

もうし‐あ・う まうしあふ【申合】

〘他ハ四〙
身分の高い人の前で口々に言い合う。
※竹取(9C末‐10C初)「をのこども、仰せの事を承て申さく〈略〉此玉たはやすくえ取らじを、いはんや、龍のくびに玉はいかが取らんと申あへり」
② 相談をして、取り決める。
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一「合衆国聯合を約するや、三十七州相互に申合ひ、約則を定め」
相撲で、申し合いをする。
江戸から東京へ(1925)〈矢田挿雲一二「草をわけても探し出すと云ふのを阿武松は『捨ておかんせい』となだめ、『野郎一丁来い』と弟子と申合(モウシア)った」

もうし‐あわせ まうしあはせ【申合】

〘名〙
① 相談をして、とり決めること。一定了解もとに、口約束をすること。また、そのとりきめ。いいあわせ。〔文明本節用集(室町中)〕
浄瑠璃仮名手本忠臣蔵(1748)二「ムムお客御馳走の申し合せ。判官殿よりのお使ならんこなたへ通せ」
能楽狂言の出演者が、あらかじめ打ち合わせをすること。また、その内容楽屋で行なう簡単な打ち合わせのほか、当日と同様に行なう舞台稽古をも含めていう。

もうし‐あい まうしあひ【申合】

〘名〙 相撲で、力量互角の力士が稽古場で稽古をすること。また、他の部屋の力士が集まって合同で稽古をすることをもいう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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