畠中専修寺跡(読み)はたけなかせんしゆうじあと

日本歴史地名大系 「畠中専修寺跡」の解説

畠中専修寺跡
はたけなかせんしゆうじあと

[現在地名]福井市畠中町

畠中南西部の丘陵上にあった寺。鐘楼堂跡や御門坂ごもんざか地名が残る。真宗高田派の越前における中心であった専修寺(現福井県金津町)は二代真空が没すると一時絶えたが、三代真能は慶長(一五九六―一六一五)末年頃畠中の地に再興、福井藩二代松平忠直から謡谷うたいだに村において一二石余の寺領を寄進された。しかし伊勢の高田専修たかだせんじゆ寺はこれを認めず、寛永一一年(一六三四)幕府に訴え、当寺は敗訴、末寺門徒は仏光寺派・東本願寺派・浄土宗などに改宗転派した。しかしその後も高田宮方法性ほつしよう寺と寺号を改めて無本寺として独立しようとし、寛文三年(一六六三)再び伊勢の専修寺の訴えるところとなり、幕府の裁断により法性寺は破却され、一町六段余の境内地は勝鬘しようまん(現福井市)の支配となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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