異形葉(読み)いけいよう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「異形葉」の意味・わかりやすい解説

異形葉
いけいよう

植物の一つの個体に形や大きさが著しく異なる葉があるとき、その葉を異形葉という。不等葉とよばれることもある。異形葉という用語はさまざまに用いられ、芽を包む鱗片葉(りんぺんよう)(芽鱗(がりん))、普通葉、花を抱く包葉などの異なった葉についていうこともあるが、普通葉に異なる形などのあるときに用いることが多い。1本の枝で異形葉がみられるもの(コウゾクワ)、枝ごとにみられるもの(ツタ)がある。イチョウでは長枝の葉は切れ込みが比較的深く、短枝では浅い。ヒノキアスナロでは鱗(うろこ)状のものの一つ一つが葉であるが、枝全体が背腹性をもつことを反映して、枝の上側の葉、下側の葉、左側の葉、右側の葉はそれぞれ形が異なる。ヤツデの芽生えにつくられる最初の数葉には葉の切れ込みがない。このように芽生えの幼い時期の葉と成長した植物体の葉との形が違うことがあるが、この場合はそれぞれ幼形、成形という。

[原 襄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む