痛酷(読み)つうこく

精選版 日本国語大辞典 「痛酷」の意味・読み・例文・類語

つう‐こく【痛酷・痛刻】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ひどく苦しいこと。苦痛であること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「我大王与母王、如期従遊、痛酷无比」(出典:知恩院本上宮聖徳法王帝説(917‐1050頃か))
    2. 「狂乱の女に一種痛刻な快味を与へる為めなのです」(出典:あめりか物語(1908)〈永井荷風〉長髪)
    3. [その他の文献]〔欧陽建‐臨終詩〕

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普及版 字通 「痛酷」の読み・字形・画数・意味

【痛酷】つうこく

甚だ心を苦しめる。晋・欧陽建〔臨終の詩〕窮、定り 慷(かうがい)して復(ま)た何ぞかん 上は母の恩に(そむ)き 痛心肝を摧(くだ)く 下はれむの女をみ 惻惻として心中酸(かな)し

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