発戸村(読み)ほつとむら

日本歴史地名大系 「発戸村」の解説

発戸村
ほつとむら

[現在地名]羽生市発戸

利根川右岸の自然堤防上、上藤井かみふじい村の北にある。「ほっと」は「陰」に通じ、奥深く入り込んだ地形をさすという(埼玉県地名誌)。現鷲宮わしみや鷲宮わしのみや神社の文禄四年(一五九五)八月付棟札に「発戸(中略)此郷何三分一」とみえ、同社領があった。田園簿によると幕府領、田高四一五石余・畑高六四二石余、ほかに野銭永九四文。国立史料館本元禄郷帳では甲斐甲府藩領で、宝永元年(一七〇四)上知(寛政重修諸家譜)

発戸村
ほんとむら

中世の郷村名で、相馬そうま御厨黒崎くろさき郷のうち。現我孫子市岡発戸おかほつと下ケ戸さげと近辺に比定される。弘安一〇年(一二八七)一〇月二四日の関東下知状(鳥浜氏所蔵文書)に「相馬御厨黒崎内下黒崎村加発戸并稲村文間郷内押手村」とみえ、相馬胤綱の三女で島津久経の妻尼妙智はこれらを幕府から安堵されている。下黒崎村の比定地は未詳だが、同村に付属する発戸は現我孫子市岡発戸が遺称地と考えられ、近辺の下ケ戸は下発戸に由来すると考えられているから、その周辺であろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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