登戸渡(読み)のぼりとのわたし

日本歴史地名大系 「登戸渡」の解説

登戸渡
のぼりとのわたし

宿河原しゆくがわら村の西方登戸村との接地にあった登戸村と対岸の多摩郡和泉いずみ(現東京都狛江市)を結ぶ津久井つくい道の渡し。正徳四年(一七一四)九月玉川渡場出入一件(東京都石井文書)によれば、夏期は渡船、一〇月一日から三月晦日までは仮橋が付設された。渡船は代々宿河原村の渡守久右衛門が請負ったが、同人が家業粗略にしたため日常往来に利用する四〇余ヵ村が連名で代官所へ嘆願し、元禄五年(一六九二)より江戸四谷よつやの相模屋吉兵衛の請負となった。その後正徳四年和泉村が「作場通ひ橋」の名義で吉兵衛経営の船橋に並行して仮橋を付設したため吉兵衛が評定所へ提訴し、裁決の結果、和泉村の作場通い橋を存続させ、その経営は宿河原村の久右衛門に請負わせることとなった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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