登望駅(読み)とものえき

日本歴史地名大系 「登望駅」の解説

登望駅
とものえき

肥前風土記」に「登望駅在郡西 昔者 気長足姫尊 到此処、留為雄装、御負之鞆 落於此村、因号とも、駅東西之海有蚫・螺・鯛・雑魚・海藻・海松等」と記す。「延喜式」には「肥前国駅馬 登望 各五匹」とある。「太宰管内志」は「登望は等毛とよむべし、(中略)柳園随筆に松浦郡登望ノ駅と云は呼子の東の海口に大(友)ノ浦小(友)ノ浦とて此処なるべしと見えたり」と記す。

登望駅について、現在の呼子町大字小友ことも付近に比定するのが定説である。しかし康和四年(一一〇二)八月の肥前国宇野御厨検校源久譲状案(石志文書)には「譲与 三男源勝 在松浦郡田畠桑垣并船木山投等事 波田浦 石志 限万町南縄手、嘉部投土毛区」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の登望駅の言及

【呼子[町]】より

…唐津方面から国道204号線が通じ,壱岐の印通寺(いんどうじ)との間にはフェリーが通う。【川崎 茂】
[呼子浦]
 古代から中国大陸へ渡る船の寄航地として知られた呼子浦は,《肥前国風土記》に見える〈登望(とも)駅〉の地に比定されている。呼子浦の初見史料は1314年(正和3)4月16日の鎮西裁許状(《有浦文書》)で,1228年(安貞2)に松浦荘内の田地を〈呼子浦遊君冝香〉なる者に売却したことを示す記事が見える。…

※「登望駅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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