日本大百科全書(ニッポニカ) 「白竜江」の意味・わかりやすい解説
白竜江
はくりゅうこう / パイロンチヤン
中国、揚子江(ようすこう)の四川(しせん)盆地における主要な支流の一つである嘉陵(かりょう)江の支流。甘粛(かんしゅく)・四川省境の岷山(びんざん)山脈の北に発し、甘粛省南部の山地を東南東に流れて白水江をあわせ、四川省北部で嘉陵江に合流する。全長535キロメートル。歴史上は羌水(きょうすい)、濁水(だくすい)などとよばれ、流長では短い支流の白水江が、白水、白竜江とよばれていた。上流部は隴西(ろうせい)高原南部の水を集め、黄河との分水嶺(ぶんすいれい)をなす。羌水の名は漢代より知られている。名のとおり異民族の居住地を流れていたもので、現在の流域も大部分は甘南ツァン族自治州で、チベット系民族の居住地である。白水江と合する碧口(へきこう)鎮は甘粛省と四川省を結ぶ交通の要衝で、1977年この地にダムが設けられ、水力発電が行われている。
[秋山元秀]