国指定史跡ガイド 「白老仙台藩陣屋跡」の解説
しらおいせんだいはんじんやあと【白老仙台藩陣屋跡】
北海道白老郡白老町陣屋町にある仙台藩の陣屋跡。白老元陣屋とも呼ばれる。1855年(安政2)、東蝦夷地の白老から知床岬、択捉(えとろふ)島までの警備を幕府から命じられた仙台藩が、翌年、白老の南方海岸に近く、ウトカンベツ川の右岸に建設した。面積約6万6000m2。堀と土塁に囲まれた内曲輪(うちぐるわ)と外曲輪(そとぐるわ)の中に6基の門を構え、本陣・勘定所・殻蔵・稽古場・長屋などを設営し、120人の藩兵が常駐して警護していた。陣屋構えの外に藩士の墓地がある。また、白老一帯の民政の拠点ともなった。東西の丘には愛宕神社と塩竃神社を祀っている。1966年(昭和41)に国指定史跡となった。その後、1995年(平成7)に精密な実測の結果と指定地周辺の開発状況から、さらに保存に必要な部分が追加指定された。史跡内に資料を整理、展示する仙台藩白老元陣屋資料館がある。JR室蘭本線白老駅から徒歩約30分。