知床岬(読み)シレトコミサキ

デジタル大辞泉 「知床岬」の意味・読み・例文・類語

しれとこ‐みさき【知床岬】

北海道北東部、知床半島突端にある岬。オホーツク海に面し、周囲断崖。船で海上からのみ望むことができる。付近一帯は知床国立公園に属し、世界遺産に登録されている。

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日本歴史地名大系 「知床岬」の解説

知床岬
しれとこみさき

斜里町の北東端、北海道の北東端に位置するオホーツク海に突き出た知床半島先端の岬。網走支庁根室支庁の境界であり、前近代には東・西の蝦夷地の分界でもあった。海岸は第三紀溶岩が浸食された複雑な地形で奇岩が続き、沿岸は磯と根により水深が浅い。西の斜里町側、東の目梨めなし羅臼らうす町側ともに常に風が吹き、現在に至るまで航行の難所となっている。風の影響で海岸付近は草原が発達しており、かつてはセリ科高茎草本が多数みられたが、近年のシカの被食圧によりハンゴンソウの群落が優先する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「知床岬」の意味・わかりやすい解説

知床岬
しれとこみさき

北海道東部、オホーツク海と根室海峡とを分ける知床半島の先端の岬。知床国立公園域であり、世界自然遺産「知床」域。付近には標高20~40メートル、75~100メートルの2段の海岸段丘が発達する。岬の南西1キロメートルに避難港があり、その付近に続縄文からオホーツク文化に至る先住民遺跡が発見されている。火山角礫(かくれき)岩が海食を受けた海岸は、広い海食台が発達し、奇岩や暗礁が多い。海食崖(がい)下にはコンブ番屋が散在するが、定住者はいない。

岡本次郎


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改訂新版 世界大百科事典 「知床岬」の意味・わかりやすい解説

知床岬 (しれとこみさき)

北海道北東端,知床半島の先端,網走支庁斜里(しやり)町にある岬。日本の施政権の及ぶ地域としては国内最北東端(北緯44°20′53″,東経145°20′06″)に位置する。岬周辺には,新第三紀の安山岩質火山角レキ岩を基盤とする標高20~40m,75~100mの2段の海岸段丘からなる平たん地が開け,下位の面はヨモギエゾイラクサなどの草原,上位の面はエゾマツトドマツなどの林で覆われる。付近の海岸線は出入りに富み,海食崖,岩礁,暗礁が続く。岬に至る陸路はなく,付近に集落もない。夏季には半島西岸の宇登呂(うとろ)から岬をめぐる定期観光船がある。岬の東側海岸にはコンブ漁の番屋,西側には秋サケ漁など季節的に利用される知床漁港がある。岬から南西約1.1kmの段丘面上には,続縄文文化の土器や,オホーツク文化の竪穴住居址,墳墓,土器,石器,鉄器などが発掘された知床岬遺跡がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「知床岬」の意味・わかりやすい解説

知床岬
しれとこみさき

北海道北東部,知床半島先端の岬。標高 20~30mの海食崖が発達し,その上に灯台 (1963設置) がある。付近一帯はウミウが生息。知床国立公園に属し,一般の人は夏季に限り,宇登呂から知床岬折返しの観光船で,海上からオホーツク海沿岸の断崖や滝の景勝,ウミウなどを見ることができる。

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