診察室(医療機関)で測定する血圧が高血圧であっても、診察室外(家庭で測定する血圧など)では非高血圧を示す状態。医療従事者の着る白衣を見ると、緊張から血圧が上昇すること(白衣効果)があり、このように呼称される。具体的には、診察室血圧が140/90ミリメートル水銀柱(mmHg)以上を示す一方で、家庭血圧が135/85mmHg未満あるいは自由行動下血圧測定(ABPM)での24時間平均血圧が130/80mmHg未満である場合をいう。
診察室血圧で高血圧と診断された患者の15~30%がこれに該当し、とくに高齢者に多い。持続性高血圧と比較して臓器障害は軽く、脳心血管病予後も良好と考えられているが、一部は持続性高血圧に移行したり、非高血圧者と比較した場合には将来的な脳心血管病のリスクが高いことがわかってきている。
なお、白衣高血圧に対し、診察室で測定する血圧が高血圧でなくても、診察室外血圧は高血圧を示す状態を「仮面高血圧」という。
[編集部 2020年8月20日]
『日本高血圧学会編『高血圧治療ガイドライン2019』(2019・ライフサイエンス出版)』
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