白鳥澗(読み)はくちようのま

日本歴史地名大系 「白鳥澗」の解説

白鳥澗
はくちようのま

室蘭湾の別名。室蘭湾が埋立てられる前、湾の奥に行くほど浅くなっていて白鳥が飛来していたのが地名の由来。一七九九年(寛政一一年)幕命により東蝦夷地のアッケシまで薬草調査をした渋江長伯は、「東游奇勝」同年五月九日条に「枝友之旅館を出、舟ニ乗、白鳥(澗)ノ海を経てヱテツケレ(ヱトツケレップ)の浜に着く。此日曇り霧深に東風微々と吹く、白鳥の間の風色甚佳なり」と記している。白鳥澗およびヱトモの澗掛りの良さについては多くの記録で言及されており、「北夷談」には「エトモは出崎にして陸路通行なりがたく、押て通行の節は、二日路にして至て険阻なり。夫ゆへ同所持モロランより澗内を渡海す。海里壱里にして渡り安し。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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