室蘭港(読み)むろらんこう

日本歴史地名大系 「室蘭港」の解説

室蘭港
むろらんこう

室蘭市の南部、内浦湾東端に位置する港。絵鞆えとも半島にいだかれ馬蹄形をした室蘭湾全体を港域とする。昭和四〇年(一九六五)北海道初の特定重要港湾に指定され、管理者は室蘭市。昭和三八年開港の苫小牧港の発展と対抗しつつ、北海道の代表的な貿易港としての地位を維持している。近世松前藩ヱトモ場所として開かれ、室蘭港はヱトモ湊を前身とする。「観国録」安政三年(一八五六)九月二三日条に「大概ハ港口広サ一里許、其間ニ大黒・蛭子ト称スル二小嶼アリテ大洋ノ波濤ヲ捍ス、港ノ深サハ四里余ト云フ」、玉虫「入北記」同四年九月二〇日条に「ヱトモ港ハ広シテ大船ノ四五十艘位ハ懸ルト云フ。(中略)外ニ函館港、厚気志港、ヲタルナイ港ノ三港極上ノ港ナリ。其次ニハ此港ナルベシ」と記される。一七九六年(寛政八年)八月にイギリスのプロビデンス号が来航して湾の調査測量を行い、三方丘陵に囲まれた天然の良港であることを世界に紹介し、その後もたびたび外国船の接近があった。九九年に幕府は東蝦夷地を直轄地とし、湾口北部のモロランに会所(当初は通行屋)を設け十数戸を移住させた。一八五六年に盛岡藩はペケレオタに出張陣屋、ポロシレトとヱトモに砲台を設置して湾内の警備に当たった(以上「通航一覧」「新室蘭市史」)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「室蘭港」の解説

室蘭港

北海道にある港。北海道内浦湾の東端に位置する。1953年4月設立。港湾管理者は、室蘭市。2002年、静脈物流拠点港(リサイクルポート)に指定。国際拠点港湾(2011年4月指定)。1998年には港を横断する白鳥大橋開通し、周辺には観光客も集まる。港湾区域面積は、1,610ヘクタール。

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