百不足(読み)ももたらず

精選版 日本国語大辞典 「百不足」の意味・読み・例文・類語

もも‐たらず【百不足】

  1. 一〇〇に足りない数である八〇の意で、「八十(やそ)」および「八十」の「や」と同音を含む地名山田」にかかる。
    1. [初出の実例]「川隈に 立ち栄ゆる 毛毛多羅儒(モモタラズ) 八十葉(やそば)の木は 大君ろかも」(出典日本書紀(720)仁徳三〇年九月・歌謡)
    2. 「百不足(ももたらず) 山田の道を 浪雲の 愛(うつく)し妻と 語らはず 別れし来れば」(出典:万葉集(8C後)一三・三二七六)
  2. 一〇〇に足りない数である五〇の意で、「五十(い)」の「い」を含む「筏(いかだ)」「斎槻(いつき)」にかかる。
    1. [初出の実例]「真木の嬬手(つまで)を 百不足(ももたらず) 筏に作り」(出典:万葉集(8C後)一・五〇)
    2. 「池の堤の 百不足(ももたらず) 斎槻が枝に みづ枝さす 秋のもみち葉」(出典:万葉集(8C後)一三・三二二三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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