百合羊羹(読み)ゆりようかん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「百合羊羹」の意味・わかりやすい解説

百合羊羹
ゆりようかん

原料の一つに百合根(ゆりね)を使用した羊かん。かつて島根県浜田市の名物であったものは、棹(さお)もの1本に手亡(てぼう)(インゲンマメ一種)270グラム、百合根の粉末30グラムが配合されていた。大正天皇の浜田地方旅行のおり、同市の開盛堂がヒメユリ球根を羊かんにつくり献上したのが始まりで、持明院子爵から「姫ゆりの姿かはれど美しき花のにほひのしのばるるかな」と賞されたという。

 百合根は鎌倉時代から珍味とされ、宮中の式事などにはしばしば百合羹が用いられた。宮内省御用を務めた塩瀬の百合羹の場合は、百合根45%に対し、手亡5%、精糖50%の配合であった。

[沢 史生

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