的部北条(読み)いくはべほうじよう

日本歴史地名大系 「的部北条」の解説

的部北条
いくはべほうじよう

和名抄」に載る神崎郡的部郷の郷名を継承する中世の郷で、同郷の北部地域をさす。いち川中流域の西岸に位置し、現香寺町の中寺なかでら土師はぜ溝口みぞぐち野田のだ岩部いわべ矢田部やたべ行重ゆきしげ福崎ふくさき高橋たかはしの地域にあたる。正和元年(一三一二)一二月日の伏見上皇置文案(伏見宮家文書)によると、衣笠殿(玄輝門院、上皇の母)管領の伏見上皇の所領は永陽門院(久子内親王)一期の間譲られており、うち的部北条は亡き朔平門院子内親王)の追善料所に充てることになっている。なお本道が知行し、天皇家が本家職をもつ。貞和三年(一三四七)七月一一日、足利尊氏は的部北条の公文職三分の一を勲功の賞として熊谷直経に宛行っている(「足利尊氏袖判下文」熊谷家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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