20世紀日本人名事典 「皆川マス」の解説
皆川 マス
ミナガワ マス
明治〜昭和期の絵付師
- 生年
- 明治7年4月10日(1874年)
- 没年
- 昭和35(1960)年7月8日
- 出生地
- 栃木県真岡西田井(現・真岡市)
- 主な受賞名〔年〕
- 国際手工芸博覧会特選ビットラー賞(第1回)〔昭和13年〕,栃木県文化功労者〔昭和35年〕
- 経歴
- 10歳の時に栃木県益子町の絵付師・皆川伝次郎の養女となり、養父から土瓶の山水絵付けを習う。15歳で絵付職人として立ち、一日に500〜1200個の土瓶に絵を付けたといわれる。のち、その無駄のない緻密な絵が柳宗悦や浜田庄司ら民芸運動家に激賞され、全国に紹介されるようになった。さらに昭和13年には、ベルリンで開かれた第1回国際手工芸博覧会に絵付土瓶を出品し、特選(ビットラー賞)を受賞。また、22年に益子を訪れた昭和天皇も彼女の技芸に感嘆し、「さえもなき媼のゑがくすゑものを人のめづるもおもしろきかな」と詠んだ。しかし、戦後になると土瓶の衰退によって絵付師も激減、晩年は絵付けの伝統を守るため、孫娘らに絵付けを教え、35年には栃木県文化功労者に選ばれた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報