皇覧(読み)こうらん(その他表記)Huang-lan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「皇覧」の意味・わかりやすい解説

皇覧
こうらん
Huang-lan

中国最初の類書。三国魏の文帝の命により編纂された。『隋書経籍志』には皇覧 120巻をあげ,繆卜らの撰としているが,そのとき劉劭などが加わっていたと考えられる。現在散逸しているので全体構成はわからないが,五経群書を集め,類目によって分けたという編纂の仕方からみて,さまざまな内容のものが分類,記載されていたと考えられる。皇覧という名称は,皇帝の閲覧すべき参考書といった意味に解釈されている。

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世界大百科事典(旧版)内の皇覧の言及

【自然誌】より

…以後は,知識がふえて内容が膨大になるのと数学的科学が自然科学の中心になったので,自然誌は百科事典にその役割をゆずった。 中国では3世紀に魏の文帝の命で繆襲(びゆうしゆう)らが《皇覧》(120巻,《隋書》経籍志による)を編纂したのをはじめとして,いわゆる〈類書〉が編纂されるようになった。著名なものとしては宋の李昉(りぼう)らが勅命で編纂した《太平御覧(たいへいぎよらん)》や王欽若(おうきんじやく)が編集した《冊府元亀(さつぷげんき)》,明の王圻(おうき)が親子2代で撰した《三才図会(さんさいずえ)》がある。…

【類書】より

…したがって類書は何よりもまず皇帝自身のために編纂され,皇帝が体得した知識の恩恵が皇族や官僚に及ぼされるのである。類書は魏の《皇覧》に始まるといわれるが,これも文帝の勅撰である。初期の類書には,このように国家の事業として作られたものが多く,これをもって一般に類書の典型とする。…

※「皇覧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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