改訂新版 世界大百科事典 「皖派」の意味・わかりやすい解説
皖派 (かんぱ)
Wǎn pài
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…中国近世の儒学として程朱学,陽明学が,宋・元・明の性理の学を代表したのに対し,清代におこった考証学によって,復古的に唱道された学術の方法である。顧炎武,閻若璩(えんじやくきよ),胡渭らが先駆的業績をあげ,呉派の恵棟,江声らによって経書ほんらいの精神は漢儒の経学によって追究しうる,とする自覚が高まり,皖(かん)派の戴震,段玉裁,王念孫らによって高度の学術成果を発揮した。その学問の特色は,《十三経注疏》を主材として史書や諸子の文献にも及び,漢・唐の時代の訓詁(くんこ)を重んじ,校勘・考証の札記(ノート)と研究者間の書信による交流を積みかさねて,許学(許慎の古代文字学)・鄭(てい)学(鄭玄(じようげん)の経書注釈)の復活と応用をきわめようとした。…
…乾隆・嘉慶年間(1736‐1820)がその全盛期であって,乾嘉の学ともよばれている。 考証学の学派としては,恵棟を中心とする呉派と,戴震を中心とする皖(かん)派に分かれる。呉派が漢儒の学説を墨守し復古を主張したのに対し,皖派は必ずしもそれに拘泥することなく,創造的な研究を推し進めた。…
…考証学とよばれる清朝経学において,銭大昕(せんだいきん)と並ぶ第一人者。呉派とよばれる恵棟の樸学に対して,漢儒を超えて大胆に古典の真実に迫り,師の江永,弟子の段玉裁,王念孫・王引之父子を併せて皖派(かんぱ)の学とよばれる。西洋暦算学に通じ,最初の著述は《疇算(ちゆうさん)》,ついで文字音韻学の論文や古代科学技術の研究《考工記図注》,また《屈原賦注》《詩補伝》を書く。…
… 清代になると,考証学がおこり,古印や封泥や他の文字資料の出土もますます多くなりそれらの出版物が次々と出されて,篆刻芸術は新たな段階をむかえた。〈皖(安徽の古称)派〉の創始者は程邃(ていすい)(1605‐1691)で,初め何震を宗としたが,その後大小篆文を融合させた新意ある刻風を完成させた。その門には,巴慰祖,胡唐,汪肇竜などがあり,秦・漢の古印をよく摹仿(もほう)し,元・明の古法と巧妙な調和を図った。…
※「皖派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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