チャワンタケ(読み)ちゃわんたけ(英語表記)cup fungi

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャワンタケ」の意味・わかりやすい解説

チャワンタケ
ちゃわんたけ / 茶碗茸
cup fungi

子嚢(しのう)菌類チャワンタケ(盤菌)目に属する茶碗(ちゃわん)形のキノコの総称。形は平皿形のほか、碗形、コップ形、足付きグラス形などさまざまであり、大きさも径1センチメートル以下から10センチメートルを超すものまである。碗の内側は白、黄、茶、赤、朱、黒などの色をもち、きわめて美しいものも多い。碗の内面には子実層が発達し、無数の円筒形の子嚢が並ぶ。子嚢胞子が成熟すると、子嚢の先端についた弁が開いて胞子は一斉に煙のように噴き出される。このような「蓋(ふた)付き子嚢」は、チャワンタケ類の特徴である。これらのキノコは、古くはチャワンタケ科にまとめられたが、現在では次のように多くの科に分類される。

 (1)ベニチャワンタケ科=シロコップタケ、シロキツネノサカズキ、ニクアツベニサラタケ、キリノミタケ、ベニチャワンタケなど。(2)クロチャワンタケ科=クロチャワンタケ、エツキクロコップタケなど。(3)チャワンタケ科=オオチャワンタケなど。(4)ピロネマ科=ヒイロチャワンタケ、キンチャワンタケ、アラゲコベニチャワンタケなど。いずれのキノコもよく目だつ。このほか、チャワンタケ類には、ノボリリュウ科、アミガサタケ科なども含まれる。なお、チャワンタケ類のキノコには、春に発生するものが多い。

[今関六也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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