精選版 日本国語大辞典 「相模・相摸」の意味・読み・例文・類語
さがみ【相模・相摸】
[1]
[一] 東海道十五か国の一つ。相武(さがむ)・師長(しなが)の二国と鎌倉別(かまくらのわけ)を合わせて、大化改新後一国となる。平安末期から平氏・藤原氏の一族が開発。鎌倉時代には幕府の直轄領となり、南北朝以後関東管領上杉氏の管轄下に置かれ、江戸時代には小田原藩が支配。明治四年(一八七一)の廃藩置県後、小田原・足柄県を経て同九年神奈川県に編入。相州。
[二] 平安後期の女流歌人。相模守大江公資(きんより)の妻。脩子内親王に仕えて、長元八年(一〇三五)の高陽院水閣(かやのいんすいかく)歌合以下数多くの歌合に参加し、能因や和歌六人党の藤原範永(のりなが)や藤原経衡(つねひら)などと交渉があった。家集に「相模集」がある。生没年未詳。
[2] 「さがみおんな(相模女)」または「さがみげじょ(相模下女)」の略。
※雑俳・川柳評万句合‐宝暦八(1758)梅「五六年いるに相模の名もたてず」
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