真恵(読み)しんえ

朝日日本歴史人物事典 「真恵」の解説

真恵

没年貞和3/正平2.5.16(1347.6.25)
生年:弘安2(1279)
13~14世紀の法律家。「しんね」とも。平安時代以来,法律を家業とする明法家として知られた中原氏出身で,父は章継,兄に章任,是円がある。後醍醐天皇建武新政下に,兄是円と共に雑訴決断所の寄人に挙げられ,建武1(1334)年8月の編成(8番制)によれば,是円は2番,真恵は5番に属した。足利尊氏離反によって建武政府が倒れたあと,是円,真恵兄弟は尊氏に召され,その諮詢に答えて,幕府再建に当たっての政道の要綱17条を答申した。建武3年11月7日付の建武式目がこれである。<参考文献>今江広道「建武式目の署名者,是円・真恵の出自」(『日本歴史』1978年2月号)

(佐藤進一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「真恵」の解説

真恵 しんえ

1279-1347 南北朝時代の官吏
弘安2年生まれ。明法(みょうぼう)家の中原氏の出身。兄中原章賢(のりかた)とともに建武(けんむ)新政府の雑訴決断所寄人(よりゅうど)となる。のち建武政府に反旗をひるがえした足利尊氏にしたがい,建武3=延元元年(1336)尊氏の諮問に対し,章賢らと「建武式目」を答申した。貞和(じょうわ)3=正平(しょうへい)2年5月16日死去。69歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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