カレー(その他表記)curry

翻訳|curry

デジタル大辞泉 「カレー」の意味・読み・例文・類語

カレー(curry)

カレー粉のこと。またはカレーライスのソースのこと。
カレーライス」の略。「ビーフカレー」
[補説]語源はタミール語のkariで、ソースの意。

カレー(Calais)

フランス北部の港湾都市ドーバー海峡カレー海峡)に臨み、英国のドーバーとの連絡港およびユーロトンネルの基地。レース・リンネルなどの織物を特産。

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共同通信ニュース用語解説 「カレー」の解説

カレー

インドにはもともと自国料理をカレーと呼ぶ習慣はなく、インド南部でソースなどを意味する単語「カリ」が欧州に伝わったのが由来との説がある。日本へは明治初期に欧州から伝わった。英国からカレーを導入した日本海軍の拠点があった青森県むつ市や神奈川県横須賀市、広島県呉市などで、その後ご当地カレーが発展。とろみのあるソースを粘りけのある日本米にかけて食べる日本のカレーライスに独自の進化を遂げた。(ニューデリー共同)

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精選版 日本国語大辞典 「カレー」の意味・読み・例文・類語

カレー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] curry )
  2. 黄茶色をした粉末の香辛料。薑黄(きょうおう)、胡椒(こしょう)、唐辛子、にんにく、茴香(ういきょう)コリアンダーなどが原料。辛みと香りが強い。カレーライスやドライカレーなどに用いる。カレー粉。
    1. [初出の実例]「カリーの粉」(出典:西洋料理通(1872)〈仮名垣魯文〉)
  3. カレー粉を用いた料理。特に、カレーライスにかけるカレーソース。〔舶来語便覧(1912)〕
  4. カレーライス」または「ライスカレー」の略。
    1. [初出の実例]「南京米のカリイを平げながら」(出典:支那游記(1925)〈芥川龍之介〉上海游記)

カレー

  1. ( Calais ) フランス北部、ドーバー海峡に面する都市。イギリスからの最短距離にあり、百年戦争、第一次・第二次世界大戦の戦略拠点となった。レース、リンネルなどを産する。

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改訂新版 世界大百科事典 「カレー」の意味・わかりやすい解説

カレー
curry

インドを中心として,中近東から東南アジア,さらに今日では広く世界各国で使用されている混合香辛料,またはその混合香辛料で味付けした料理のことをさす。カリーと呼ぶことも多い。南インドのタミル語やカンナダ語で〈スープの具〉を意味するカリが,料理の名前としてポルトガル語経由で英語に入り,やがて世界中に広まったとされる。インドでは何にでもこの混合香辛料を加えて味付けをするが,暑く湿気の多い地方では,食欲を増進し,消化を助け,殺菌効果をもち,発汗作用を高めるなど,実に自然の摂理にかなった調味料といえよう。

 成分としては,黄色い色を出すサフランやターメリック(うこん),刺激性の芳香を得るクミン,フェンネル(ういきょう),コリアンダー(こえんどろ),クローブ(丁子),シナモン(肉桂),カルダモン(しょうずく),ナツメグ(にくずく),辛みを出すペッパー(こしょう),チリ(とうがらし),マスタード(粒からし),ジンジャー(しょうが)などのほか,さまざまな木や草の実,根,葉,樹液,香草の類を加えた100余種にものぼる香辛料の中から,料理に合わせたブレンドがなされるので,必ずしも決まった配合と配合率があるわけではない。各家庭には石臼やカレーストーンと呼ばれる石板と石棒のセットがあって,これで調合した香辛料をごろごろすりつぶしてペースト状にして使うのであるが,最近では既製品のカレー粉が,本場インドでも多く使われるようになってきた。それでも,ブレンドの仕方は地方によって微妙に異なって,各地の味,各民族の味をかもし出している。

 日本へは明治の初期に入って以来,急速に人気を得,米飯と組み合わせた独特のライスカレー(カレーライスともいう。英語ではcurry(and)riceまたはcurried rice)として,ハイカラな一品料理の代表となった。夏目漱石の《三四郎》にも1皿60銭で登場するが,最近の調査では,最もひんぱんに作られる家庭料理の筆頭になった。インドで出される甘酢っぱいチャツネ(果実などの香辛料煮)のかわりに福神漬やラッキョウをつけ合わせて,みごとに日本の味になっているといえよう。カレー粉の消費量も,本場インドについで,世界第2位といわれる。西洋料理にも大幅にとり入れられて,ピラフやグラタン,サラダ,スープ,あるいは魚肉料理の風味付けにと,世界各国で広く日常的に使われている。
執筆者:


カレー
Calais

フランス北部,パ・ド・カレー県の港湾・工業都市。人口7万8170(1999)。ドーバー海峡に面するカレー港は利用客数においてフランス第1(年間250万人)であるが,隣県の港町ダンケルクとの競合という問題を抱えている。主要業種であるレース製造業はカレーの工業従事者の40%を抱え,フランスの機械織レースの4分の3を産する。カレーの企業の多くはイギリス系である。町は北と南に分かれ,古代ローマ時代からある北部は高級住宅地,商業地,港湾をもつ。19世紀の織物業発達に伴って併合された南部は工場地および労働者住宅地になっている。13世紀以降フランス・イギリス間の交易中継地として発展し,ハンザ同盟都市となった。百年戦争中,イギリス軍に占領された(1347)が,このとき6人の市民がイギリス王エドワード3世の前に出頭して他の市民を救った話は有名で,ロダンの彫刻《カレーの市民》にもなっている。1558年ギーズ公が奪回,16世紀末一時スペイン領となるが,1598年以後フランス領となった。19世紀,レース工業の移入およびカレー~ドーバー間の鉄道の開通により再度発展したが,両次大戦では大被害をこうむった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カレー」の意味・わかりやすい解説

カレー
curry

粉末状の香辛料を混ぜ合わせて風味をつけたソース,あるいはそれを使った料理。起源はインドとされ,今日では世界に広がった。タミル語の kari(ソース,たれの意)に由来する。インドカレーの多くは,タマネギショウガニンニクを混ぜたものに,カルダモンシナモンチョウジ(クローブ),コエンドロ(コリアンダー),クミン,ウイキョウ(フェンネル)の種,フェヌグリーク,芥子(マスタード。→カラシナ),黒コショウ(→コショウ),トウガラシウコン(ターメリック)などの香辛料を加えてつくられる。カレーリーフ,チリ,ナツメグ,メース(ナツメグの仮種皮),ケシの実,ハッカクの実(スターアニス。→シキミ科),ローレル(ゲッケイジュの葉)を加えることもある。これらをあらかじめ調合したカレー粉は,インドを植民地支配していたイギリス人によって流通した。日本には明治以後輸入され,カレー粉と小麦粉をバターで炒めてスープで伸ばしたものの中に肉や野菜を加え調味し,それを熱い飯にかけるカレーライスとして広まった。
インドでは香辛料を調合した粉末状の調味料をマサラ masalaと呼ぶ。水や酢などを加えたペーストもある。菜食主義者の多い南インドのカレーは,サンバールポディ sambar podiと呼ばれる混合調味料で味つけされ,チリが含まれていて非常に辛い。対照的に,北インドの代表的な調味料であるガラムマサラ garam masalaは生のカルダモンの種,シナモン,クローブ,黒コショウのみでつくられ,辛味を避けている。

カレー
Calais

フランス北部,パドカレー県北部のドーバー海峡 (カレー海峡) にのぞむ港湾都市。海峡対岸のドーバーまで 34kmで,イギリスへ最短の都市である。中世初期には南西方 15kmにあるウィッサン港が利用され,カレーは小漁港にすぎなかった。 12世紀頃からウィッサンに代って発展,1224年ブーローニュ伯により要塞化された。 1347年イングランド王エドワード3世は 11ヵ月にわたる包囲ののち同港を占領,1558年までイギリスの領有が続いた。その後一時スペイン領となり,1598年フランスに復帰した。フランス北部の港として発展したのは鉄道,運河,道路など後背地との連絡が確立された 19世紀に入ってからである。貨物港としては木材,石炭など年間約 100万tの荷扱いにとどまる地方港で,競合するブーローニュシュルメール港には及ばないが,旅客数ではブーローニュシュルメール港を大きく上回る。工業はレース,チュールの機械織り,刺繍が有名で,全世界に輸出されている。ほかに食品,機械,化学の工業などがある。要塞 (1560) ,市庁舎広場のロダンの傑作『カレーの市民』像 (1884~86) ,旧見張り塔 (13世紀) ,ノートルダム聖堂 (14~16世紀) ,さらに 7kmに及ぶ海水浴場などがあり,観光都市としても重要。人口7万 5836 (1990) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カレー」の意味・わかりやすい解説

カレー(フランス)
かれー
Calais

フランス北端部、パ・ド・カレー県の港湾・工業都市。人口7万7333(1999)。パリの北北西305キロメートルに位置して、ドーバー海峡(カレー海峡)に臨み、イギリスのドーバーとの間43キロメートルは連絡船で結ばれ、また英仏海峡トンネルフォークストンとも結ばれている。漁港、貿易港であるほか、旅行者の基地でもあるが、40キロメートル北東にフランス有数の港湾都市ダンケルクがあるため、その役割は低下しつつある。伝統的な織物工業(レース、リンネルなど)に加えて、食料品、化学、ケーブル製造、製紙用パルプ酸化チタンなどの工業も行われる。百年戦争中の1347年、壮烈な抵抗ののちイギリス軍により占領された。このとき、刃物製造業者サン・ピエールEustache de Saint Pierreと5人の市民が、イギリス王エドワード3世の前に出て町を救った話は有名。

[高橋伸夫]

歴史

海辺の小村にすぎなかったカレーが拡大、発展を開始するのは10世紀の終わりごろからで、13世紀に入りブローニュ伯によって都市に防備が施された。1347年イギリスによって征服され、イギリスの支配はギーズ家のフランソアが奪回する1558年まで続いた。第一帝政の崩壊のあと、王政を復古するため亡命先からルイ18世がこの地に上陸した。第一次世界大戦のときにはドイツ軍の海上からの砲撃によって、またドイツに占領された第二次世界大戦中はイギリスの海岸砲台からの攻撃によって、都市は破壊し尽くされた。1944年6月から9月まで、ドイツ軍のイギリスに向けたロケット砲V1号の基地が築かれたが、同年9月末日連合軍によって解放された。

[志垣嘉夫]


カレー(料理)
かれー
curry

混合香辛料、またはそれを調味料として使った料理。カレーの語源は南インドのタミル語のkari(ソース)に由来するといわれる。

[編集部]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「カレー」の解説

カレー
Calais

フランス,パ・ド・カレー県の都市。ドーヴァ海峡に面し,13世紀にブーローニュ伯によって城塞化されたが,百年戦争中,1347年イングランド王エドワード3世によって占領された。ロダンの「カレーの市民」で有名な英雄的行為はその際の挿話である。町は以後,イギリスの大陸所領の拠点として保有されていたが,1558年ギーズ公フランソワによってフランスに奪還された。

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百科事典マイペディア 「カレー」の意味・わかりやすい解説

カレー

インドを中心に中近東から東南アジア一帯で用いられる混合香辛料。またそれで味つけした料理をいう。カレーは南方インドのタミル語で〈スープの具〉を意味するカリが語源とされる。アニス,ウコン,コショウ,メース,トウガラシ,ナツメグ,ニッケイ,カルダモン,オールスパイス等が混合されたもので,食欲増進,消化促進などの効果もある。各家庭で石臼ですりつぶして適宜混合するが,最近ではインドでも既製品のカレー粉が出回っている。カレーライスのほか,煮物,ソースなど料理に広く使われる。→インド料理

カレー

フランス北部,パ・ド・カレー県の,ドーバー海峡に臨む港市。英国への重要な連絡港。レース,刺繍(ししゅう)製品などの産があり,食品加工・機械・化学工業が行われる。ニシン,タラ,サバ漁業の根拠地。1347年市民の英雄的抵抗ののち英領(ロダンの彫刻《カレーの市民》で知られる),1558年奪回。第2次大戦で旧市街はほとんど全滅した。7万5309人,都市圏人口10万人以上(1990)。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「カレー」の解説

カレー【curry】

①数十種類の香辛料で作られる混合香辛料。辛みづけにとうがらし・黒こしょう、香りづけにコリアンダー・クミン、黄色の着色にターメリックなどが配合される。◇「カレー粉」ともいう。
②①を用いて作られる料理。特にカレーライスのソース。⇒カレーライス
③「カレーライス」の略。
④インド料理で、種々の香辛料を用いた煮込み料理の総称。ナンチャパティと一緒に食べる。タイなど他のアジア諸国のものにも用いる。

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旺文社世界史事典 三訂版 「カレー」の解説

カレー
Calais

フランス北西部,ドーヴァー海峡に面する港湾都市
百年戦争のとき,イギリスのエドワード3世に攻略された(1347)が,5人のカレー市民の英雄的行為によって町は破壊を免れた。百年戦争後もイギリスの大陸における唯一の根拠地となったが,1558年ギーズ公の活躍によってフランスの手にかえった。

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栄養・生化学辞典 「カレー」の解説

カレー

 カレー粉で調理した料理を広くいうが,カレーライスをいうことが多い.

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世界大百科事典(旧版)内のカレーの言及

【インド料理】より

…しかし,〈インド料理〉としての共通性は香辛料の多用ということであろう。そしてこれら香辛料で味つけした料理をカレー料理と定義するならば,インド料理のほとんどはカレー料理ということになる。香辛料は釈迦が教えてくれたものという俗説があるが,事実相当古くから使われていたらしく,玄奘の記録にも残されているという。…

※「カレー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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