眼張る（読み）ガンバル

デジタル大辞泉

がん‐ば・る【眼張る】

［動ラ四］目をつける。見張る。
「さっきに跡の松原で―・って置いた金の蔓つる」〈浄・矢口渡〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

がん‐ば・る【眼張・頑グヮン張】

1. 〘 他動詞 ラ行五（四） 〙
2. ① たしかめて覚えておく。目をつけておく。ねらう。
   1. [初出の実例]「目が見えずば声を眼ばって置いて下んせ」(出典：浄瑠璃・軍法富士見西行（1745）二)
   2. 「『頭、金の在所(ありか)を』『頑張って置かっしゃったか』」(出典：歌舞伎・高麗大和皇白浪（1809）五立)
3. ② 目を大きく見開いて、物を見据える。特に、歌舞伎で、役者が見得を切る時に目を見開く。
4. ③ 見張りをする。
   1. [初出の実例]「大道をがんばって、かな釘一本でも落て居る物を拾ふ」(出典：洒落本・根柄異軒之伝（1780）)
5. ④ 頑強に座を占める。一所にじっと控えて動かないでいる。
   1. [初出の実例]「先此処に雁張(ガンバッ)て居やう」(出典：落語・素人人力（1893）〈三代目三遊亭円遊〉)
6. ⑤ 困難に屈せず、努力しつづける。忍耐してやりとおす。
   1. [初出の実例]「体を鍛へ 頑張って 頑張って 今に立派な 兵隊さん」(出典：童謡・お山の杉の子（1944）〈吉田テフ子・<著者>サトウハチロー〉)
7. ⑥ 自説を強硬に主張する。また、頑固に意地を張る。我(が)を張る。
   1. [初出の実例]「ここ二、三年頑張れば、どうにかかうにか対等の資格で、和睦が出来る」(出典：ヴィヨンの妻（1947）〈太宰治〉一)

眼張るの補助注記

「眼張る」から出た語と考えられるが、「頑張る」は、「我張る」「我に張る」から変化したものという説もある。

出典　精選版 日本国語大辞典