精選版 日本国語大辞典 「着流」の意味・読み・例文・類語
き‐ながし【着流】
- 〘 名詞 〙
- ① 能装束で、大口(おおぐち)、半切(はんぎり)などの袴(はかま)類をつけず、縫箔(ぬいはく)、唐織(からおり)などのままのいでたち。
- [初出の実例]「祖父 角頭巾、小がうし、着ながし」(出典:波形本狂言・老武者(室町末‐近世初))
- ② 男性の和装の略装。羽織、袴をつけない、着物だけの服装。くだけた身なり。
- ③ いつも着ていること。着古したこと。
- [初出の実例]「天職よりは小袖をもつかはす、又帯をもやる、又着(キ)ながしの小袖をもつかはす」(出典:評判記・色道大鏡(1678)三)
- ④ 衣装つき。着つけ様。いでたち。
- [初出の実例]「はした腰(こし)もと召連(めしつれ)、おもひおもひの着(キ)ながし」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)三)