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軍服 ぐんぷくmilitary uniform

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

軍服
ぐんぷく
military uniform

軍人の制服。市民およびほかの官吏区別し,階級兵種を明らかにするため,各国とも軍人の制服を定めている。戦時国際法規上も,敵国の軍服を偽って使用することを禁じている。軍服には礼装服,野戦用,平時勤務用などの区別,3軍別,将校,下士官,兵の区別,技能,職種による区別などがあり,女子要員にも別の制服を制定している軍隊が多い。国によって,特に中国などの社会主義国には,これらの区別が少いところもある。なお第2次世界大戦以後は各国とも軍服が機能的になり,階級による区別が少くなり,かつ軍刀類を平時において携行しないようになったほか,2軍あるいは3軍共通の統一軍服への傾向がみられる。

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デジタル大辞泉の解説

ぐん‐ぷく【軍服】

軍人の制服。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぐんぷく【軍服】

各国の正規の軍隊は,敵の軍人や一般住民とみずからを容易に識別するため,また組織の秩序維持・機能確保などから,階級,兵種,兵科等を直ちに識別しうる軍服や階級章,徽章(きしよう)類の制式と着用要領を定めている。 国際法上,軍服の着用および軍服の範囲が問題となるのは,戦闘員の〈交戦資格〉との関係である。正規の戦闘員として交戦資格を認知されるということは,捕虜となった場合,国際法によって保護される権利を有するということである。

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大辞林 第三版の解説

ぐんぷく【軍服】

軍人の制服。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

軍服
ぐんぷく

正規軍人の着用する制服。外套(がいとう)、雨着、帽子、靴なども広義の軍服といえる。敵味方や非戦闘員との識別、軍隊団結の象徴などを目的とし、共通互換性、機能性、耐久性を重視する。
 陸・海・空の各軍、将校・兵士などの階級身分、歩・騎・砲・工などの兵科、夏・冬・合(あい)の季節、寒帯・熱帯などの地域、通常勤務・特殊勤務などの作業、男女の性別、年齢などによってそれぞれ区分される。古くは日常用、戦闘用とも同一のものを用いたが、近代正規軍では儀礼用(正装)、日常用(軍装)、訓練・演習・戦闘に着用する戦闘用(略装)と区別するようになった。[寺田近雄]

歴史

軍服に類する衣服は、軍隊の発生とともにあり、各種族、部族の支配者が自分の手兵に同一の服を支給し団結を誇示した記録は、ギリシア、ローマ、エジプト、メソポタミア、中国など文明発祥地に多くみられる。ただしこの場合は下級兵士や傭兵(ようへい)に限られ、指導者、貴族、隊長クラスは自弁の自由な服装である。また部族が異なると軍服も異なって、全軍的統一にはほど遠く、むしろ統一性は兵士たちの武具甲冑(かっちゅう)に求められ、それがユニホームとなっていた。
 定説では、イギリスの王位継承戦「ばら戦争」(1455~85)で両軍がそれぞれ赤ばら、白ばらの記章をつけて戦った史実を軍服の発祥としている。1644年、イギリスのクロムウェルが議会派新模範軍に赤服を着用させ、また1670年、ルイ14世が国費をもって全軍統一の軍服(兵科による差はあり)を採用するなど、17世紀から18世紀にかけてヨーロッパ各国の国民軍は制服を着用するようになった。これらはいずれも赤青黄緑などのはでな原色地に金銀の装飾を凝らした華美なデザインで、わが国の鎧兜(よろいかぶと)と同じく武人を男子の華とするもので、ナポレオン戦争の槍騎兵(そうきへい)、竜騎兵のファッションはその代表例である。
 19世紀後半に入ると火器の急激な発達により、目だつ原色軍服は野戦に不利なため避けるようになった。南ア戦争(ブーア戦争)の際、インドから派遣されたイギリス軍がカーキkhaki(ヒンディー語で土ぼこりの意)色の軍服で迷彩効果をあげたので各国軍はこれに倣い、いずれも国土にあわせて濃緑、灰緑、黄褐、褐色などのじみな色の軍服を採用するようになった。
 一方、海軍では、各国とも黒または紺色(夏服は白)を基礎に機能性を加味し、幹部はフロックコート、詰襟、背広型に変わり、兵士は俗にセーラー服とよばれる型に伝統化された。また20世紀に創設された空軍の制服は初めは陸軍と同じで、やがて空色背広型に定着した。
 日本では1870年(明治3)国軍の統一とともに陸、海、海兵の服制を定め、陸軍はフランス、海軍はイギリスを模範として、将校と兵士をデザインで区別。階級、兵科は階級章、兵科章で表した。日露戦争後半から従来紺系統の布地が茶褐色となり、昭和に入ってドイツの影響で詰襟から折襟となった。陸軍は日常衣と戦闘衣は同型で、特殊被服として防寒衣、防暑衣、航空服、戦車服、防毒服など各種があった。海軍は建軍以来大きな変革はなく、第二次世界大戦後期に緑色の陸戦服が採用され、艦艇乗員もこれを着用した。[寺田近雄]
『笹間良彦著『日本の軍装』(1970・雄山閣出版) ▽太田臨一郎著『日本近代軍服史』(1972・雄山閣出版) ▽斎藤忠直・穂積和夫著『世界の軍服』(1971・婦人画報社)』

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世界大百科事典内の軍服の言及

【学生服】より

…採用の直接の契機は,生徒の集団性の育成をめざして導入された兵式体操(軍事教練)実施上の服装としてであり,したがってその型式は,黒色の布地による詰襟・金ボタンの上衣と同布地のズボンという当時の陸軍下士官の戦闘服をモデルとしている。普及とともに紺色・ホック留めの海軍士官略装型の学生服も出現したが,いずれにせよ集団規律,職務への服従,地方民とは異なる選良性などの点で,軍服がモデルとして選びとられたのであった。日露戦争後,陸軍軍服は国防色(カーキ色)へと変わるが,学生服は一貫して当初の色・型を継承し続けた。…

【制服】より

… 制服のもたらす社会的機能としては,同一性,シンボル性,禁欲性の三つの要因が考えられる。同一性とは内部に対しては一体性を醸し出すと同時に,外部と自集団との区別として作用し,軍服は,戦場での敵・味方の識別機能と同時に,味方どうしの一体感(仲間意識)を強化する。しかも,これら制服は自分が所属している集団の象徴でもある。…

※「軍服」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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