睡眠物質(読み)すいみんぶっしつ(その他表記)sleeping substance

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「睡眠物質」の意味・わかりやすい解説

睡眠物質
すいみんぶっしつ
sleeping substance

睡眠を起させる脳内物質のこと。 1865年にスイスのモニエ教授が,眠らせたウサギ血液を他のウサギの血管や脳に注入して睡眠させることに成功し,初めて睡眠物質の存在を確認した。植物にも動物のような睡眠現象があるが,1987年,慶應義塾大学理工学部の山村庄亮教授,志津里芳一博士,三義英一博士らが,オジギソウから,他のマメ科植物で見つかっている物質より 15倍も強力な睡眠物質を抽出するこに成功した。

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世界大百科事典(旧版)内の睡眠物質の言及

【睡眠】より

…セロトニンの代謝産物がノルアドレナリンを介してレム睡眠を駆動し,かくして,ノンレム睡眠・レム睡眠の連鎖が回転すると説明されている。(2)睡眠物質 20世紀の初めに,フランスのピエロンH.Piéronらが10日以上断眠させたイヌの脳脊髄液を別の正常なイヌの脳室に注入すると,数時間にわたって眠ることから,覚醒中に脳のなかに疲労物質が蓄積し,これが脳脊髄液や血液のなかに入って睡眠を起こすと考えた(ヒプノトキシン説,1910)。その後多くの研究者によって催眠作用をもつ有効成分の単離抽出が行われている。…

※「睡眠物質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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