(読み)つづらめ

精選版 日本国語大辞典 「瞿」の意味・読み・例文・類語

つづら‐め【瞿】

  1. 〘 名詞 〙 驚き・恐れなどで、大きく見開いた目。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「西都賓、翟然(りゃくせんとツツラメニシテ)容を失ひつは」(出典:猿投本文選正安四年点(1302))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「瞿」の読み・字形・画数・意味


18画

[字音]
[字訓] みる・おどろく

[説文解字]

[字形] 会意
隹(すい)+(く)。は〔説文〕四上に「左右するなり」とあるように、目を見張ってみまわす意。瞿はおそらく鳥の状態によって卜う鳥占(とりうら)の俗を示すものであろう。おどろくさまを瞿・瞿瞿といい、人の心情に移して懼という。

[訓義]
1. みる、みまわす、驚きみる。
2. おどろく、心のおどろくさま。
3. 瞿瞿は、おどろく、つづまやか、おそれるさま、おどろきふためくさま。

[古辞書の訓]
名義抄〕瞿 オヅ・ミル・ツツシム・ツヅラメ 〔字鏡集〕瞿 ミル・オヅ・ツツシム・ツヅラメ

[声系]
〔説文〕に瞿声として・衢・懼・など九字を収める。・衢は行動に関する字、懼・はその心情に関する字であり、瞿が古く鳥占を示す字であったことが知られる。

[語系]
瞿kiua、矍kiuakは同系の語。矍は〔説文〕四上に「一に曰く、ること遽(には)かなる皃なり」とあり、瞿の状態をいう語。懼giua、遽giaも声義近く、一系の語とみてよい。

[熟語]
瞿瞿・瞿視・瞿然瞿麦
[下接語]
心瞿・目瞿

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【ダイコベト】より

…中国から独立したベトナム最初の皇帝であるディン・ボ・リン(丁部領)が,即位に際して国号として定め,その後,前レ(黎)朝(981‐1009),リ(李)朝初めまで用いられたが,1054年,リ・タイ・トン(李太宗)によりダイベト(大越)と改められた。ベト(越)は華南以南の地域名称であるが,コ(瞿)については諸説あり,ベトナム語のコ(〈突出した〉の意)とするのが有力である。【桜井 由躬雄】。…

※「瞿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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