石に立つ矢(読み)イシニタツヤ

デジタル大辞泉 「石に立つ矢」の意味・読み・例文・類語

いし

一念を込めてやれば、どんなことでもできることをいうたとえ。漢の李広が石を虎と見誤って矢を射たところ、矢が石に立ったという「史記」李広伝の故事による。

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精選版 日本国語大辞典 「石に立つ矢」の意味・読み・例文・類語

いし【石】 に 立(た)つ矢(や)

  1. ( 石を虎(とら)と思って矢を放ったところ射通ったという「韓詩外伝‐六」に見える楚の熊渠子(ゆうきょし)、「史記‐李広伝」に見える漢の李広などの故事から ) 一心をこめて事を行なえば、不可能なことはないということのたとえ。念力岩をも通す。岩に立つ矢。
    1. [初出の実例]「唐国(からくに)の、虎と思へば石にだに立つ矢のあるぞかし」(出典謡曲恋重荷(1423頃))

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「石に立つ矢」の意味・わかりやすい解説

石に立つ矢
いしにたつや

一心を込めて事を行えばかならず成就するとのたとえ。中国楚(そ)の熊渠子(ようきょし)が、一夜、石を虎(とら)と見誤ってこれを射たところ、矢が石を割って貫いたという『韓詩外伝(かんしがいでん)』巻6や、漢の李広(りこう)が猟に出て、草中の石を虎と思って射たところ、鏃(やじり)が石に突き刺さって見えなくなったという『史記』「李将軍伝」の故事による。「虎と見て石に立つ矢もあるものをなどか思(おもい)の通らざるべき」の古歌や、「一念(一心)巌(いわ)をも通す」の語もある。

[田所義行]

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故事成語を知る辞典 「石に立つ矢」の解説

石に立つ矢

[参照] 一念岩をも徹す

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