一念岩をも徹す(読み)いちねんいわをもとおす

精選版 日本国語大辞典 「一念岩をも徹す」の意味・読み・例文・類語

いちねん【一念】=岩(いわ)をも徹(とお)す[=岩(いわ)にも徹(とお)る]

強固な信念至誠で事に当たれば、いかなることも成し遂げることができるの意にいう。
浮世草子・風流曲三味線(1706)三「一念岩を徹(とほ)すといへば、一生の中に逢はれまい物でなし」

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故事成語を知る辞典 「一念岩をも徹す」の解説

一念岩をも徹す

精神を集中しているときには、不可能なことも可能になるというたとえ。

[使用例] 陰陽秘伝一巻を、朝昼夜に読みけり、人の一念岩をも通す、十二の春に意味をさとり、十四の秋にとうを覚え、十五の夏にうんおうを極め[国枝史郎つたかずらそのかけはし|1922~26]

[由来] 「韓詩外伝―六」に見える話から。紀元前数世紀の昔、中国のという国でのできごと。ゆうきょという人物が、虎だと思い込んで石に向かって矢を放ったところ、その矢が石に突き刺さったということです。同じような話は、「史記こう伝」にも載せられています。

〔異形〕念力岩をも通す/石に立つ矢。

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