一念(読み)いちねん

デジタル大辞泉の解説

いち‐ねん【一念】

ひたすら心に深く思いこむこと。また、その心。「親の一念が通じる」
ふと思うこと。
「―なりとも悔ゆる心を発(おこ)すべきなり」〈発心集・五〉
仏語。
㋐非常に短い時間。瞬間。
「ただ今の―、空しく過ぐる事を」〈徒然・一〇八〉
㋑一度の念仏。仏の救済を信じて唱えた一声の念仏。
「臨終の―は百年の業に勝る」〈往生要集・中〉

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大辞林 第三版の解説

いちねん【一念】

深く思いつめた心。一筋の思い。一心。 「合格したい-でがんばる」
〘仏〙
きわめて短い時間。六十刹那せつな、または九十刹那とされるが、単に一瞬の意で用いられることが多い。
一つの心のはたらき。一瞬の意識。
一度の念仏。多く、阿弥陀仏を念ずること。また、南無阿弥陀仏と唱えること。
主として浄土真宗で迷いなく仏を信ずること。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

一念
いちねん

仏教用語。非常に短い時間の単位。現在この一瞬の心,一心に仏陀を念じたり,仏陀の名前を称えたり,仏陀を瞑想したりすることにも用いられる。

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精選版 日本国語大辞典の解説

いち‐ねん【一念】

〘名〙
① ひたすらに思いこんでいること。また、その心。一心。執心。執念。
※源氏(1001‐14頃)横笛「一ねむのうらめしきも、もしは哀れとも思ふにまつはれてこそは」
※浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)三「一念(ネン)かけし、彌兵次をうたでは置まじ」 〔陳鴻‐長恨歌伝〕
② ふと思うこと。ある一つの考え。
※康頼宝物集(1179頃)上「金を奪ひ取りて千両に成して持たんと思ふ一念起りつ」
③ きわめて短い時間。一刹那または六十刹那など。
※今昔(1120頃か)二「一念うらやみたる事そら既に如此し」 〔仁王護国経‐上〕
④ 仏語。ひとたび仏を念ずること。一度念仏を唱えること。⇔多念
※和漢朗詠(1018頃)下「一念といふとも必らず感応す これを巨海の涓露(けんろ)を納るるに喩ふ〈具平親王〉」 〔無量寿経釈〕
⑤ 仏語。仏の救いを信ずることができたその瞬間、または信じて二心のないこと。主として浄土真宗でいう。
※教行信証(1224)三「言一念者、信心无二心故曰一念
⑥ 仏語。仏の智慧(ちえ)のこと。
※浄土法門源流章(1311)大日本国浄教弘通次第「言一念者、仏智一念。正指仏心念心

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