韓詩外伝(読み)カンシガイデン

デジタル大辞泉 「韓詩外伝」の意味・読み・例文・類語

かんしがいでん〔カンシグワイデン〕【韓詩外伝】

中国の古代説話集。10巻。前漢の韓嬰かんえい著。古い故事・逸話を、「詩経」の詩句と関連づけて解説したもの。「韓詩内伝」は現存しない。かんしげでん。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「韓詩外伝」の意味・読み・例文・類語

かんしがいでんカンシグヮイデン【韓詩外伝】

  1. 中国の古代説話集。一〇巻。前漢初の韓嬰(かんえい)の著。古い文献から、教訓的な説話、警句を選び、「詩経」の詩句と関連づけて編集したもの。「詩経」の注釈書「韓詩内伝」は散逸し、外伝のみ伝存

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「韓詩外伝」の意味・わかりやすい解説

韓詩外伝
かんしがいでん

中国、漢代の韓嬰(かんえい)が著した『詩経』解説書。10巻。雑多な故事や説話をあげ、それらを『詩経』の詩句で説明したもの。詩句の解釈を主とした注釈書とは異なる。韓嬰は、漢代初期に魯(ろ)の申培公(しんばいこう)、斉(せい)の轅固生(えんこせい)とともに隷書(れいしょ)で書かれたテキストに準拠する今文学派の詩経学者。それぞれ魯詩、斉詩、韓詩とよばれ、「三家詩」と総称する。韓詩以外の2家の説はいま断片しか伝わらず、韓嬰の書物も『韓詩内伝』などすでに滅んで逸文が集められているにすぎないが、この『外伝』のみ現在まで伝存する。

[佐藤 保]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「韓詩外伝」の意味・わかりやすい解説

韓詩外伝
かんしがいでん
Han-shi wai-zhuan

中国,前漢の韓嬰 (かんえい) の著。 10巻。『詩経』の章句に関連して故事,逸事,伝承を記述した書物。韓嬰は生没年未詳,燕の人で,前漢の文帝,景帝に仕えた。『斉詩』『魯詩』とともに,秦の焚書ののち,漢代に『詩経』を伝えたいわゆる「三家詩」の一つである『韓詩』を伝える家で,その注釈書である『韓詩内伝』と本書とを著わしたが,内伝は亡失して本書だけが伝わった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

一粒万倍日

一粒の種子をまけば万倍になって実るという意味から,種まき,貸付け,仕入れ,投資などを行えば利益が多いとされる日。正月は丑(うし),午(うま)の日,2月は寅(とら),酉(とり)の日というように月によって...

一粒万倍日の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android