日本歴史地名大系 「石作寺」の解説 石作寺いしづくりでら 京都市:西京区灰方村石作寺名称から現京都市西京区大原野石作(おおはらのいしづくり)町付近にあったと推定される古代寺院。「三代実録」元慶三年(八七九)閏一〇月五日条に「勅以山城国乙訓郡公田五町為元慶寺田、而四段三百十六歩返入石作寺」、「延喜式」巻二一(玄蕃寮)には「凡近都諸寺、東拝志(はやし)以北、西石作以北、停預講師、僧綱検察」とあり、平安初期には存在していたことが知られる。また「宇津保物語」楼上巻は「かくて石作寺の薬師仏現じ給フとて、多くの人詣で給フ」と主人公仲忠も参籠、「げにいみじう騒がしきまで人詣でたり」と描いている。これによれば、本尊は薬師如来かと推定される。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報