石刻(読み)セッコク

デジタル大辞泉 「石刻」の意味・読み・例文・類語

せっ‐こく〔セキ‐〕【石刻】

石に彫刻すること。また、その彫刻。
石版で印刷したもの。

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精選版 日本国語大辞典 「石刻」の意味・読み・例文・類語

せっ‐こくセキ‥【石刻】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 石に彫刻すること。また、その彫刻したもの。いしぼり。
    1. [初出の実例]「一芸に長じて、仏国の名誉を挙げたるものは、悉く石刻し、年代及び類によりて並べられたり」(出典:仏国風俗問答(1901)〈池辺義象〉巴里の諸博物館)
    2. [その他の文献]〔宣和書譜‐正書四・陸経〕
  3. 石版にして印刷したもの。
    1. [初出の実例]「王陽明の客座の私説、石刻を屏風にして置せ給ひしに、其中三字欠たりしを補書したまひしよし」(出典:随筆・文会雑記(1782)附録)

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普及版 字通 「石刻」の読み・字形・画数・意味

【石刻】せきこく

石に書画を刻する。〔金石索、一〕古(いにしへ)、方をと曰ひ、圓を碣(けつ)と曰ひ、其の山に就きて之れを鑿(さく)するを崖(まがい)と曰ひ、亦た石と曰ふ。

字通「石」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の石刻の言及

【金石学】より

…それらは古代ローマ人の公・私の生活の全域を覆い,ローマ史研究のための重要な史料をなすが,《業績録》のような皇帝の功業を詳述する大碑文,ディオクレティアヌス帝の〈最高価格令〉に代表される皇帝の勅令,多様な軍隊関係の文書といったように,ローマ帝国の成立と発展の結果,都市国家の世界であるギリシアでは見られぬ内容のものも,少なからず残されている。【伊藤 貞夫】
[中国]
 今日では,殷・周時代の青銅器に刻された銘文(金文)や秦・漢以後の石刻文を研究する学問をいう。旧中国では,印璽(いんじ),封泥(ふうでい),瓦当(がとう),磚(せん)や鏡鑑,貨幣,刀剣などに刻印された文字や甲骨文なども金石の範疇に入れたが,学問の細分化精密化とともに,現在では,貨幣,印璽,甲骨などの文字は別個に取り扱われる。…

【金石文】より


[中国]
 中国では一般的な書写材料である竹や木,帛(はく)や紙とともに,金属や石材が古くから用いられてきた。このうち金属に刻した銘文が金文,石材に刻した銘文が石刻あるいは石刻文,両者を併せて金石文という。金文の中には兵器(戈,戟,矛,剣など)や度量衡(権,量,尺など)や貨幣などの銘文もあるが,主要なものは殷・周時代の彝器(いき)とよばれる青銅器の銘文である。…

【石碑】より

…先秦時代では石に文章を刻んだものとして,秦国の石鼓文が古くから著名であり,近年になって中山国王の刻字河光石が発見されている。いずれも特定の形に加工しない自然石を利用したもので,石刻とよんでいる(秦刻石)。定型化した碑は後漢から始まり,遺例として後漢代の後半のものが各地にのこる。…

【銘文】より

…器物製作の由来や祈願・頌徳の文,製作者や製作年などが記されることが多い。また金属器に刻したものを金文,石に刻したものを石刻または石刻文,両者をまとめて金石文ともいい,銘文といえば金石文を指すように考えられがちである。これは金石に刻したもの以外は滅びやすいために,実見しうる銘文の中では金石文が大部分を占めているからにほかならない。…

※「石刻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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