朝日日本歴史人物事典 「石川依平」の解説
石川依平
生年:寛政3.1.1(1791.2.3)
江戸後期の歌人。通称為蔵,惣太夫。号は柳園,橿が本など。遠江国佐野郡伊達方村(静岡県掛川市)に生まれる。神童,奇童ともてはやされ,6歳のときに掛川侯に召されて歌を詠じたという逸話を伝える。冷泉為章,栗田土満に入門。学問的には国学系の色彩が強いが,詠歌は堂上風の温和な作風も目立つ。幕末の歌人としての名声は高く,門人は300人を超えると伝える。家集『柳園詠草』は明治になって刊行された。<参考文献>井倉茂子「石川依平」(『文学遺跡巡礼』4)
(久保田啓一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報