石炭火力発電(読み)セキタンカリョクハツデン(その他表記)coal‐fired power generation

共同通信ニュース用語解説 「石炭火力発電」の解説

石炭火力発電

石炭を燃やしてお湯を沸かし、その蒸気タービンを回して発電する方法。発電量当たりの二酸化炭素(CO2)排出量が多く、天然ガス火力の約2倍に上る。気候変動を悪化させるため、国連のグテレス事務総長は早期廃止を繰り返し訴えている。燃料にアンモニアを混ぜて燃やす手法を日本は推進するが、CO2削減効果が限定的との批判が強い。

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知恵蔵 「石炭火力発電」の解説

石炭火力発電

石炭を燃料とする発電システム。地球温暖化問題への懸念から全廃政策をとるデンマークなど、石炭削減の世界的潮流に対して、日本では逆に増大している。1975年度には全発電量の3.7%だった石炭火力が、2005年には稼働中の石炭火力は3575万kW(自家発電を除く)、約2400億kW時で約21%となった。石油石炭税も導入されたが、高効率の石炭ガス化複合発電(IGCC)などクリーン・コールテクノロジーによる石炭火力の環境影響の改善があり、安価で安定供給が可能なため新規電力事業者が石炭火力に傾斜している。ただし、06年3月には山口県宇部市の大型石炭火力発電所が地球温暖化問題を理由に計画を断念するなど、温暖化防止対策の難しさもある。

(飯田哲也 環境エネルギー政策研究所所長 / 2007年)

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