日本大百科全書(ニッポニカ)「気候変動」の解説
気候変動
きこうへんどう
climatic variation
気候変化とほぼ同じ意味で使われることが多いが、本来は年々~数十年で変動する気候の変動性(変動幅)を意味するclimate variabilityに対応する用語でもある。気温などの平年値は一般に30年間の平均値で表されるから、気候変動とは30年程度の平均値に有意な変化が生じた場合をさすという考え方もある。しかし、平均値に変化がなくても、標準偏差で代表されるような変動そのものの大きさ(変動性)に著しい変化が生じた場合には、気候変動がおこったと考えるべきである。たとえば、異常気象の多発傾向などは気候変動の一つの現れとみることができる。
[三上岳彦 2015年4月17日]