化学辞典 第2版 「石炭灰」の解説
石炭灰
セキタンバイ
coal ash
石炭を燃焼(石炭燃焼)あるいはガス化(石炭ガス化)した後に残留する無機物質.石炭中にもともと存在するケイ酸塩,酸化物,炭酸塩,硫化物などに由来する.石炭中の灰分は,空気中室温で乾燥した石炭を810 ℃ で燃焼し,残留する灰の量を質量百分率で表す.灰の主要元素は,一般にアルミニウムとケイ素で,ほかにナトリウム,マグネシウム,カリウム,カルシウム,鉄,リン,チタン,バナジウム,マンガンが含まれる.燃焼灰の処理や資源化は,石炭の利用上重要である.また,石炭中には,ヒ素,水銀,鉛などの有毒な元素も微量含まれており,燃焼やガス化過程における排出挙動が研究され,環境への影響が調査されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報