磤馭慮島(読み)オノコロジマ

デジタル大辞泉 「磤馭慮島」の意味・読み・例文・類語

おのころ‐じま【磤馭慮島】

《「自凝おのころ島」の意で、自然に陸地が凝り集まってできた島の意》日本神話で、伊弉諾尊いざなぎのみこと伊弉冉尊いざなみのみこと二神が、はじめて作ったという島。転じて、日本の称。

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改訂新版 世界大百科事典 「磤馭慮島」の意味・わかりやすい解説

磤馭慮島 (おのごろじま)

日本神話にみえる島の名。おのずから凝り固まった島の意。伊弉諾尊(いざなきのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)2神が天(あめ)の浮橋に立ち,天津神(あまつかみ)から授かった天の沼矛(ぬぼこ)(玉で飾った矛)で海水をかき回すと,矛の先から海水が垂れ落ちてできた島という。海洋型国生み神話の一つ。その島に2神が降り立ち,天の御柱見立て,八尋殿(やひろどの)を見立て,結婚し,そこを根拠地として国生みや神生みをしたという神話上の聖なる島である。今はそれと比定できる島はない。
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世界大百科事典(旧版)内の磤馭慮島の言及

【伊弉諾尊・伊弉冉尊】より

…2神は,葦の芽吹き(国土の始源)→生気に満つ原野→浜と水田の出現→神の依代(よりしろ)→男女の防塞神→充足の観念,と系譜的に展開する〈神世七代(かみよななよ)〉の最後に出現する。イザナキは天の浮橋に立って海中を矛でかくはんして磤馭慮島(おのごろじま)を出現させ,2神はこの島で成婚して大八島国その他を生み,ついで山川草木水火などの神々を生み,最後に3貴子と呼ばれる天照大神(あまてらすおおかみ),月読尊(つくよみのみこと),素戔嗚尊(すさのおのみこと)を生む。ただし記と紀の一書では,イザナミは火神を生んだために女陰を焼かれてこの世を去ったとなっている。…

【海】より

…地球上の陸地以外の凹所に水をたたえ,全体がひとつづきになっているところが海(海洋)である。それを満たす水が海水で,その塩分の組成率は,世界中ほぼ一定している。海岸近くの入江や,浦,潟(かた)を海とするか湖沼と呼ぶかは,多分に従来の習慣によっている。
【海の地球科学】

[海の分類]
 海を分類するには,その位置や大きさ,形状,海水の特性などにより,大洋と付属海に分け,付属海はさらに地中海(大・小地中海),縁海に分ける。…

【聖婚】より

…〈聖なる結婚〉の意で,男神と女神の結婚,あるいは神と人間との結婚のこと。ギリシア語のヒエロス・ガモスhieros gamos,それに由来する英語ヒエロガミーhierogamyなどの訳語であり,〈神婚〉ともいう。神話や伝説に多数語られており,儀礼を伴っていることも少なくない。ギリシア神話の主神ゼウスとその正妻ヘラとの結婚は,古代ギリシアでは特別に重要視され,各地で祭式として繰り返し記念され,結婚の神聖と意義を強調する機能を果たした。…

※「磤馭慮島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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