磯隠る(読み)イソガクル

デジタル大辞泉 「磯隠る」の意味・読み・例文・類語

いそ‐がく・る【×磯隠る】

[動ラ四]海辺の岩の陰に隠れる。
「見渡せば近きものから―・りかがよふたまを取らずはまじ」〈・九五一〉
[動ラ下二]に同じ。
「うらめしや沖つ玉藻たまもかづくまで―・れける海人あまの心よ」〈行幸

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関連語 自動詞 実例

精選版 日本国語大辞典 「磯隠る」の意味・読み・例文・類語

いそ‐がく・る【磯隠】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 海浜または海中の石の陰に隠れる。
    1. [初出の実例]「潮騒(しほさゐ)の浪をかしこみ 淡路島 礒隠(いそがくり)居て いつしかも この夜の明けむと」(出典万葉集(8C後)三・三八八)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 [ 一 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「うらめしや興津玉藻(おきつたまも)をかづくまで磯がくれけるあまの心よ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)

磯隠るの語誌

「万葉」の表記は「礒隠」で、動詞「かくる」の上代における活用に従って「いそがくり」と訓まれるが、西本願寺本訓は「イソカクレ」で、中古・中世にはこの下二段「いそがくれ」が使われた。

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